【短編】君に恋をした。
「ごめん。って何に対してのごめんですか?」
やっと話してもらえたと思ったら、そんな質問だった。
「ん、紗耶香ちゃん好きな子いるって、分かってたのに、俺、キスしちゃったし、ほんとごめん。」
正直に言った方がいいに決まってる。
嘘をつくことに何の意味もないから……
「・・・・・・・・・。」
紗耶香ちゃんは、それからまた何も話さなくなった。
時間だけが過ぎていく。
とっても綺麗に見えていたはずの花火は、今は俺の眼にちっとも入ってこなかった。