‐恋色‐
教室に戻ろうと職員室のドアを開けると…
ガラッ
「い゛て…」
何かにぶつかって私はオヤジみたいな声を出してしまった。
「大丈夫か?」
……………この声は!!
私は勢いよく顔をあげた。
そこには王子が立っていた。
「たっちゃん!!」
てか、恥ずかしい!!
たっちゃんの前でオヤジみたいな声出しちゃったなんて…
やらかしたよ…
「気をつけろよ」
たっちゃんはそう言って職員室に入って行った。
私はだるさ半分幸せ半分のまま教室に戻った。
が、なぜか教室は騒がしかった。
「なる、これ何の騒ぎ?」
私はなるに聞いた。
なるはどこかを指差した。
なるの指差す所をたどると…
「えっ…」
思わず声を出した。
だって入学式以来来てなかった小池がいたから…
「え、嘘…てか小池って」
不登校だった人が学校にきたと言う驚きよりも、¨小池¨に驚いた。