初めて天使を見た瞬間


式の間、予想はしていたが眠ってしまった。

目が覚めた時には、もう3年から退場しているところだった。
なんとなく辺りを見わたしてみると一人が目にとまった。
椅子に座った状態で頭がグラグラしている。

段々こみあげてくる笑い。
耐えられなくなり腹を抱えながらそいつの顏をみた。

そいつは、彼女は今日すれ違った天使だった。
その寝顔につい見惚れてしまっていた。

『2年生。退場』

その言葉を合図にみんな立ち上がる。
天使も隣の子におこされたようだ。
俺もチンタラ椅子を持って動き始める。


< 2 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop