初めて天使を見た瞬間
「席替えをしようと思います!」
わぁ!とクラスから歓声があがる。
うちの中学は入学式の日に席替えをしてしまう。
どこにそんな余裕があるのかとても聞きたいが
席替えに興味がないと言ったら嘘になる。
みんな、席を立って黒板前のクジをひきにいく。
俺もなるべく最後にならないように急いで列に並んだ。
数字は...16。
一番後ろの窓側だ。
席の場所もそうだが、やっぱり気になるのは隣りの人。
俺と同じ16の数字を持っている人は誰なのか。
少しドキドキしながら来るのを待つ。
隣に重そうな机を引きずりながら来る人確認!
興味なさげなのを演じながらも、相手を見る。
「あ・・・」
薄茶色のカールした髪の毛。
髪と同じ色の大きな目。
優しそうな顏。
天使だ。
天使は何も言わずに机を揃えてイスに座ると
うつむいてしまった。
早く話したい。
そう思いながらも、タイミングがつかめず
1限は終わってしまった。
10分休み。
なにも話せなかった事にため息をついていると
白亜が来た。
「席。どうだった?」
「うーん。どうだろう。場所的にはいいんじゃないかな」
「そか。。。まぁ、2限、班活動だしな。隣のヤツと話せるといいな!」
「はぁ?・・・仲良くなったら紹介してやるよw」
白亜は顏を赤くしながら自分の席に帰る。
アイツはほんとにおもしろいな。