S.F.M.



勇気に話があると言われた放課後。



あたしは勇気を教室で待っていた。




「ごめん、遅くなった」



小走りで勇気はあたしのもとに来てくれた。




「秘密っていうのは…」



勇気の口からは、意外な言葉が飛び出した。




「俺、幼稚園の頃からずーっと菜都のことが好きだった。一途に好きだった」



あたしは驚きを隠せなかった。



菜都は、今まで勇気に振り向こうなんてしたことがないから。



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