不器用な恋模様



「どーせ鴫原の事でしょ?」


「ははっ!さすが、蛍」



蛍はどこか鋭い。
だから誤魔化しても、いつもバレるんだよなー。



すると呆れた声で
蛍は何の躊躇いもなく言った。



「…別れなよ」


その言葉は嫌がらせとか
そーいうのじゃなくて
コイツなりの心配の仕方。



「やーだね。
オレ、ベタ惚れだもん♪」


「でも、辛いんでしょ?

なんで、そんな想いまでして
好きでいなきゃならないの……?」



――――蛍は恋を知らない。






< 105 / 160 >

この作品をシェア

pagetop