不器用な恋模様
「―――信じないよ」
「えっ?」
オレの答えに
すごく驚いた顔をするヒカリ。
「オレは運命に囚(とら)われたりしない。自分の道は自分で決める」
そう思わせてくれたのは
ヒカリだよ?
するとヒカリは、
どこか悲しそうに笑った。
「…やっぱり違うよね」
その言葉の意味を
今のオレには理解出来なかった。
「あたしは信じるよ。
こうして好きな人と出会えたのは、神様が定めた事かも知れない。でも、そのお陰で……あたし達はココにいる。……ある人が教えてくれたんだ」
そう言って遠くの空を見るヒカリが、綺麗だった。