不器用な恋模様
オレはヒカリの唇に近づかず、
耳元に口を近づけた。
「ヒカリ…………」
オレは……
「オレ、ヒカリなんて…………大っ嫌い」
好きだからこそ
君を手離すよ―――。
オレが囁くと、ヒカリは目を開けてこちらを見つめた。
「…どぅいう意味?」
信じられないって顔で
オレを見るヒカリに胸が痛んだ。
「そのまんまの意味だよ」
「今までの関係は……嘘?」
違うよ―――。
オレはいつだって
君を愛していたよ……
「そうだよ。
……もしかして気づかなかった?」
オレは作り笑いをして
本音を押し殺した。