不器用な恋模様




まだ…あたしの想いは
遅くないのかな?



「湊……」



あたしは走り出していた。
たった1人、
あなたの元へ―――。



「湊は屋上。…まだ間に合うよ」



その言葉を
耳に入れて全力疾走した。


ごめんね……

ごめん、湊……



まだ間に合うなら
ちゃんと聞いてほしい。




『湊はね……鴫原にベタ惚れだよ。ずっと君のこと、
信じてたから』




やっぱり
あたしは君を傷付けてばかりだった。



もう……傷付けない。





< 148 / 160 >

この作品をシェア

pagetop