不器用な恋模様
SIDE:湊
風が気持ち良い。
屋上に着いた途端、
一筋の涙が頬を流れた。
それが風で
瞬時に乾いていく。
なぁ……ヒカリ?
君の想い人は
この奇麗な空にいるのかな…
いつも空を見て
泣きそうになってた?
あぁ……
翔って人になりたい。
そうしたら
ヒカリは想ってくれるのに。
かと言って
代わりだなんて無理だ。
そして……ヒカリを忘れることも出来そうにない。
ごめん、
オレ……君のために
何も出来ない。