不器用な恋模様
Stage4_愛しい存在
――――♪
「氷屶…っ、待って」
「栞、遅い」
氷屶は面倒臭そうに
立ち止まり、彼女である栞が
追い着いてくるのを待つ。
やっと追いついて
栞は息を整わせて氷屶の隣に並んだ。
「ごめんね?」
「……」
謝っても応答のない氷屶に
悲しくなる栞。
しかし右手に
ぬくもりを感じてハッと氷屶を見上げた。
「栞トロイから繋いでてやるよ」
照れながら目を逸らす氷屶。
「ありがと…」
氷屶の行動に嬉しくなって
ふわりと笑う栞は
とても可愛い氷屶だけの彼女。
「……ッ。
いいから、早く行くぞ」
そして手を繋いで
また2人は帰っていった。
おわり