不器用な恋模様
俺は栞から顔を背けて
また歩き出した。
俺の歩くスピードが早かったのか栞は走って着いてくる。
「ま、待ってよ」
「早く歩け。置いてくぞ」
そう言いつつも、
俺は栞と歩くスピードを合わせて帰っていった。
「……あれ?」
突然、栞が首を傾げて
俺の手を見た。
「なんだよ」
「手、ケガしてる!!」
それはサッカーの時に負った傷だった。
でも、かすり傷程度だし
大したことない。
「これくらい平気だから」
「ダメ!見して」