不器用な恋模様
そう言って栞を放って歩き出した。
「違うよ!!!」
栞が大声で叫ぶものだから
俺は栞の方を振り返った。
「…………なにが?」
「私は…氷屶を幼なじみだなんて思ったこと、1度もないよ……」
その言葉を理解することができず、ただ呆然と立ち尽くした。
そして、栞は
俺にだって分かる決定的なことを俺に言った。
「氷屶が好きだよ…」
「……!!」
顔をピンク色に染めて
栞は俺に伝えた。
でも、俺には分からない。
――この気持ちの意味が。