不器用な恋模様
「……幼なじみでいよう」
「……」
俺のこの言葉に栞が
どれほど傷ついたのかを
今の俺は知るよしもなかった。
ただ、栞が俺にとって
どういう存在なのか
ちゃんとわかった上で答えたかった。
だって俺は、
栞を幼なじみ以上に考えたことがないから……。
ただ傍にいてくれればと
そう願う程度で、
俺は自分の気持ちに
気づかなかった。
栞の想いさえも……。
だから、こうして
……栞を傷つけてしまったんだ