不器用な恋模様
俺も、あんな風に――――
「ねぇ暁助ぇー」
「はぃはぃ。キスだろ?」
そう言って、
名前もうろ覚えな女の子に
キスをした。
触れるだけの愛のないキス。
俺の淡い期待は、このキスによって掻き消された。
そして女の子が満足して帰っていった後、君は何も知らない顔で登校してきた。
高嶋 沙雪(サユキ)。
それが、この子の名前。
俺が唯一、早くフルネームを
覚えた女の子だ。
漆黒の長い髪を
1つにポニーテールしてて
肌は雪のように白い。