不器用な恋模様
「あのさ?映画のチケットあるんだけど誰か貰ってくれない?2人分」
そう言って、ヒラヒラと2枚のチケットを見せびらかした。
それは動物の感動系。
俺がずっと見てみたいと思っていた映画だった。
「見てぇ!!!」
「見たいっ」
すると俺ともう1人の声が
綺麗に重なった。
――――高嶋だ。
「俺は見たからいい」
と、氷屶。
じゃあ、
高嶋とジャンケンじゃん。
「実世ー、
一緒に見に行かない?」
遠くにいる実世ちゃんを
呼ぶ高嶋。