不器用な恋模様
また無意識に高嶋の笑顔に
見とれてしまった。
「……っ」
「北村ぁ?……おーい!
映画始まるよ?」
俺の顔の前に手を振って
意識を確認する高嶋。
そのお陰で我に返った。
「…そうだな!じゃ、行くか」
「うん」
高嶋が答えると、俺は右手を
差し出した。
もちろん、その行動に高嶋は
首を傾げた。
「手ぇ繋ご。
…はぐれると面倒だから」
「……ぁ、うん…」
小さく頷くと、高嶋は
そっと左手を俺の右手に乗せた。