不器用な恋模様



突き飛ばされて、高嶋は
地面に思いっきり倒れ込んだ。
足を押さえて俯く高嶋。



それを見て
周りの女の子たちは笑い出す。



「いい気味」

「早く行こ?北村くん」



平気な顔して言う女の子たちに俺の中の何かが
ブチッと音をたてて切れた。



「――――せ」


「なーに?暁助」



「離せってんだよ!」



大声で叫んで、女の子の手を
振りほどいた。



そして、しゃがんでいる高嶋にそっと近寄る。


俺の怒鳴り声に
女の子たちは固まっていた。





< 79 / 160 >

この作品をシェア

pagetop