不器用な恋模様
突き飛ばされて、高嶋は
地面に思いっきり倒れ込んだ。
足を押さえて俯く高嶋。
それを見て
周りの女の子たちは笑い出す。
「いい気味」
「早く行こ?北村くん」
平気な顔して言う女の子たちに俺の中の何かが
ブチッと音をたてて切れた。
「――――せ」
「なーに?暁助」
「離せってんだよ!」
大声で叫んで、女の子の手を
振りほどいた。
そして、しゃがんでいる高嶋にそっと近寄る。
俺の怒鳴り声に
女の子たちは固まっていた。