想うだけならいいですか?
「ふぅ~

 ありがとう

 意外と時間がかかってしまったな」


「そうですね」


太陽はもう沈みかけ

空の色は紺色になりかけていた


「さぁ

 とっとと帰るぞ」


もう少し先生と

2人きりで居たいなんて思う私は

変なのだろうか・・・


「はぁ・・・」


「何だ伊波

 疲れたのか?」


「・・・いいえ

 ちがいマス」


「――――――伊波

 人の側でため息をつくのは

 失礼「わかってますよ!」


また注意を受けてしまった・・・


「あ・・・」


え?


「風琴(オルガン)だ」


先生は風琴の方へ歩き出す

風琴を開けてみると

手入れがされてないから

むわっと変なにおいが広がる


「音はでるだろうか」


そうつぶやく先生は

優しい顔で笑った


――――――パクパク


『ぷぁ~~』


「お、生きてる」


久しぶりに聞く

風琴の音

最後に聞いたのはいつだったっけ・・・?

でも・・・

懐かしい音


*
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