想うだけならいいですか?
―――先生


「ははっ

 何だ?ご愛嬌か?

 意外だな

 玖條先生ってもっと

 堅い人だと思ってた」


―――先生


「音も指もぎこちないね」


―――先生


「ああ、でも

 かわいくて

 優しいメロディね

 何て名前の曲?」


―――先生

私は知っています

その曲の名前も

その曲が先生にとって

大切なモノだという事も

私だけは――――――・・・


知ってる


演奏が終わると

拍手が鳴り響き

生徒たちの歓声が体育館を包む

先生は舞台から降りてくると同時に

生徒たちも先生の所に集まってくる

先生は誰かを探しているようで

私と目が合ったとき瞬間

笑いかけてくれたのは

私の思い違いじゃないですよね・・・?



*
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