君、解明。
「あ、ヤバッ。もう行かなきゃ。」


『もう行っちゃうんかねぃ?』

さっきまで挫折していたのにしっかりとした足取りで立っている。


「うん。私、日直だからさ。」

ドアに手をかけながらも答える。

『なんちょー、あんさんも日直だったっちょねぃ?』

「え…?」


『あぢゃー?見とらんのかい?黒板、黒板。』


私が黒板に目を向けると、そこには

【日直;仁王啓太・豊河愛葉】

と書いていた。


「えーと…に、おう、けい、た?」


『んぢゃ、ほーぢゃほーぢゃ、あんさんはー…とよかわ…あいは?』


うん…よく間違えられるからもう慣れちゃったよ、私。

「【あいは】じゃなくて【まなは】ね。」


『ほーか、お前さん【まなは】いうんだっちょねぃ。ぢゃあ、俺ぁ【あい】って呼ぶんちょー。』


うわ、めんどくさいなこの人。

「ご勝手に。」


『なんぢゃ、あい。冷たいんちょなー。仲良ぅしようやっ。』


スッと差し出してきた手を私はしばらく見つめながら視線を外した。


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