私はいつも1人だった
「ふーん。ま、俺らは手出さないから!」
手を出さないのならいい。これは私の仕事、そして私の心の問題。
「待たせたな、白狐!!」
倉庫入り口には紅幹部が勢揃いしていた。
やっぱり1人では来なかった。
「後ろにいる奴は誰だ?」
「俺は手を出さないから!頑張れよ、さ……ヤベ。っ…白狐!!ヘヘ」
今名前を呼ばれそうになって驚いた。
私が男の時はあいつらは知っている。今名前を言われると確実にバレてしまう。
バレてあいつらが私に構わなくなるのははっきり嬉しいが、私はもうあの目を見たくない。
遥人の最後の目は私の脳裏に焼き付いている。
周囲の目、父母の目、遥人の目。
あれは軽蔑、拒絶の目だ。