私はいつも1人だった


隣から聞こえたため息にビビり、顔をあげると朔が俺を見ていた。


無性にもドキッとしてしまい俺の顔は熱を持った。


「そ、そういや、お前なんの本読んでんの?」


とっさに出てきた言葉はただの照れ隠しだ。


「これ?読む?読めたらだけど」


読めたらだと!!馬鹿にするなよ。国語は得意だっ。


朔から受け取った本を見て俺は言葉を無くした。


「……………これ、英語?」


「イタリア語」







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