私はいつも1人だった
「……私の通帳ご覧になりますか?」
「「「え?」」」
私は上着のポケットから通帳を取り出しおばさん達に渡した。
「それはわたしの通帳の一部に過ぎません。」
「……っ!!」
「では、これで」
通帳を奪うようにして取り、母たちの陰影を持ち待たせていたタクシーに乗りマンションに帰った。
准は私の腕の中で寝ており、抱っこしてロビーに入った。
「朔さん!」
「瀬藤さん」
「この度はご愁傷様でした」
「ありがとうございます」
「それで朔さん宛てに大量の荷物が届いていますが…」
「あ、部屋まで運んでもらえますか?」
「はい!かしこまりました」
軽く頭を下げ、先に上に上がり准をベッドに寝かせた。