私はいつも1人だった


「……私の通帳ご覧になりますか?」


「「「え?」」」


私は上着のポケットから通帳を取り出しおばさん達に渡した。


「それはわたしの通帳の一部に過ぎません。」


「……っ!!」


「では、これで」


通帳を奪うようにして取り、母たちの陰影を持ち待たせていたタクシーに乗りマンションに帰った。



准は私の腕の中で寝ており、抱っこしてロビーに入った。


「朔さん!」


「瀬藤さん」


「この度はご愁傷様でした」


「ありがとうございます」


「それで朔さん宛てに大量の荷物が届いていますが…」


「あ、部屋まで運んでもらえますか?」


「はい!かしこまりました」



軽く頭を下げ、先に上に上がり准をベッドに寝かせた。






< 212 / 222 >

この作品をシェア

pagetop