幼なじみ《短編》

「でさ、あいつが・・・
 愛里??」

「・・・」

「愛里〜!!」

「えっ!!
 なに?」

「それはこっちのセリフ!!
なんか今日変じゃね?」

「そんなことないよ。
いつもどおりだよ。」

「嘘。
愛里が変なことくらい気がつくっつうの。
なんかあった?」

祐矢は心配そうな顔で
私に聞いてきた。

不安な気持ちもあったが
私は思いきって聞いてみることにした。

「・・・あのね、」

「おう!」

「実は真由に祐矢に彼女ができたって聞いたんだけど、
 彼女できたの?」

「あぁ・・・聞いたんだ。
 愛里には言わなきゃって思ってたんだけど、俺にも遂に彼女できました!!」

嬉しそうに祐矢は
話した。

「後輩なんだけど、
 向こうから告白してくれてさ。
 今月の最初くらいだったかな。」

今日はもう今月の半ばだ。

そんな前から・・・

「そうだったんだ。
 おめでとう。」

ちゃんと笑えてるかな私?

「ありがとう。
 でさ、行きとか帰りとかのことなんだけど・・・」

聞いてられなくて、
祐矢の声を遮るように
私は言った。

「分かってる!!
 彼女と帰るんでしょ?」

自分で言っときながら
自分で傷ついてる。

「そうなんだ。
 だから今日で一緒に帰るのも最後かな?」

今日で最後・・・。

私の心はモヤモヤして
限界をむかえそうだった。

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