幼なじみ《短編》
祐矢との最後の帰宅は
いつもよりずっと
早かった。
何を話したかなんて覚えていない。
いつの間にか、
家の前にたどり着いていた。
いつも祐矢は
私が家に入ったのを確認してから自分も家に入る。
「じゃあ、またな。」
「・・・うん。」
「あっ!!
明日から遅刻すんなよ!!」
祐矢もきっと気づいてる、
私がいつもと違うことに・・・。
「大丈夫だもん!!」
「どうだかなぁ。
・・・じゃあ、バイバイ。」
「うん・・・
明日、学校でね。」
大丈夫、
ちゃんと笑えてる。
いつもは振り向いたりして
ふざけてるが、
今日は振り向きもせずに
急いで家の中に入った。
急がなければ泣きそうだった。
幸い家には誰もいない。
私は泣き崩れた。