7 STARS
「彼女の残したコレと一緒にね。」

「…指輪…。」


月と星の光を浴びて、銀の指輪が優しく光る。


「星になった彼女が残したのはこれだけだったよ。」


…その言葉の意味を理解するには充分だった。
ショウの横顔が切なげな理由も、今ようやく分かったような気がする。


「あの日は驚いた。すごくね。」

「え?」

「夢に出会った日。
君は彼女に本当にそっくりだったから。」

「…そっくり?」

「瓜二つ。最初、彼女に双子なんていたっけとか考えてた。
まぁいないって知ってたけど。」

「そんなに似てるの?」

「似てる似てる。骨格がそのままだから声も似てるしね。
半信半疑で声を掛けた。」

「どういうこと?」

「彼女かもしれない。でも彼女はもういない。
だからもしかしたら彼女の幽霊かもしれない、なんてね。
半分彼女だと信じてた。だけど、もう半分は彼女がこの世にはいないことを知っていた。」


その声はあまりに悲痛だった。
淡々と紡がれる言葉だから余計だ。


< 110 / 268 >

この作品をシェア

pagetop