7 STARS
「バカ…。」

「嬉しいよ、俺。」

「え?」

「些細なことかもしれないけど、夢がちゃんと挨拶返してくれたり、ご飯残さず食べてくれたりすること。
夢が思っている以上に、俺は嬉しい。」

「……。」

「それで寂しさは少しずつ減ってるかな?
独りだなぁって思うこと、いっぱいある?」

「留守電入ってなくてへこむのは…やっぱりへこむんだけど…。
それでも今はちょっとだけ平気。」

「そっか。」


変わって来てることなんてたった2週間以下の期間でたくさんあった。
全部を言うのは恥ずかしいから言わないけれど。


「良かった。」


サラサラと淡い茶色の髪が揺れているのが音で分かる。
笑顔はもちろんはっきりと見える。
それほどまでに近い距離。
ショウの目は確かに自分を捉えているということが分かっても、逸らす気にはなれない。
―――逸らしたくない。


「一番星には輝いてもらわないと。」

「一番星?」


ショウの言葉の意味が分からなくて、夢は首を傾げた。


< 120 / 268 >

この作品をシェア

pagetop