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「ホントに家まで送らなくていいの?疲れてない?」

「大丈夫大丈夫。」

「私も一緒に歩こうか?」

「それじゃ帰り道、菜々子が一人になるだろ?」

「別に一人でも平気だよ?」

「…あのさ、たとえ田舎といえど夜道は危ないよ。
女の子一人で歩かせるなんて出来ない。」

「女の子なんて可愛いものじゃないし!」

「菜々子は間違いなく性別女でしょ。」

「腕っ節には自信が…。」

「あーもう!じゃあそこまで言うなら明日付き合ってくれない?」

「え?」

「実習前にちょっとゆっくり散歩したいなって。
もちろん夜だけど。菜々子が暇なら付き合ってよ。」

「ひ…暇だけど。」

「じゃあ明日、7時くらいにいつもの公園で。
…おやすみ、菜々子。また明日。」

「う…うん。」


〝また明日〟
昔、よく言ってくれた言葉。
今はもうまた明日って言っても会えないことの方が多いから、この言葉を聞くのは本当に久しぶりで、胸の奥がきゅーっとして苦しい。


「また、明日…。奏人。」

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