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「あ、訳が分かんないって顔だね、それ。」

「だっ…だって!訳分かんないよ!嫉妬って…ヤキモチでしょ?
奏人が何にヤキモチ焼くかなんて分かんないよ!」

「あの佐々木って奴が菜々子って呼ぶことが嫌だった。
俺じゃない男の前で、楽しそうに話す菜々子を見るのが嫌だった。
だからあんな風に言ったんだ。」

「待って…全然付いていけない…。
だって奏人は私の〝幼馴染〟でしょ?」

「そうだよ。
俺は菜々子の幼馴染で、それ以上じゃない。もちろんそれ以下でも。
でもずっと、想ってたよ。
それ以上になりたい、と。」





…奏人の言葉が耳に届いているのに、頭で上手く処理出来ない。
頭の中がぐるぐるして、ふわふわする。





「もっとストレートに言うと、俺はずっと菜々子のことが好きだった。今もすごく好きだよ。
でも俺は意気地なしで、ずっと言えなかったんだ。
菜々子も同じ気持ちでなければ、〝幼馴染〟としてでさえそばにいられなくなるから。」

「す…き…?
奏人が…私を?」

「うん。菜々子のことが好きだ。」


奏人の目が真っすぐ私の目を見つめている。
私の涙腺は、爆発した。
涙が、止まらない。

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