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「なんで泣くのさ…。」

「だって…っ…。」

「泣かせっぱなしだね、俺は。」

「っく…うぅー…!」


ぐしっと右手で目をこすった。
それでも全然涙が止まらない。


だって、私も…


「同じっ…気持ちだもん…。」

「え…?」

「私も…奏人のこと…好き…。」

「えぇ!?そうなの!?」

「そうだよっ!でもずっと、奏人と同じこと思ってた!
気持ち言って、奏人も同じ気持ちじゃなかったら、もう戻れないって。
そばにいられなくなっちゃう、そばにいるのが当たり前だった毎日がなくなっちゃうって…。
だからずっと言えなくて…でもどんどん好きの気持ちだけ膨らんで苦しくて…っ…。」


一度口にしてしまえば、もう止まることを知らない。
言葉がどんどん流れてくる。


ずっと言えなくて、ずっと言いたかった言葉が、溢れ出して止まってくれない。


「…ちょっと面白いね。」

「何が…?」

「二人が同じ考えだったことがさ。」


そう言って奏人は小さく笑った。
私も涙を無理矢理抑えて笑みを返す。

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