7 STARS
「どんなに遠くにいても空は一つで、そこに星はきっとあるから。
場所は違っても、同じ星を見ているって思えば、近くに菜々子を感じることが出来る。少なくとも俺は。」

「…っ…。」

「ごめんね、寂しい思いをこれからたくさんさせる。
でも気持ちが変わることはないから。
もう10年以上想い続けてきたってことが信じる証拠になるよね?」


私は頷いた。
頷くのと同時に涙も零れ落ちる。


「1年半。大学卒業したら戻る。
それまで遠距離になっちゃうけど…。」

「それでも…いい。だってこれからはいつだってメール出来るもん。」

「今まであんまりメールしなかったね。」

「だって、理由ないとメールしちゃダメな気がして…。」

「理由いらないよ。くだらないことでもなんでもメールして。俺もメールする。電話でもいいよ。」

「究極的に寂しくなったら電話にする。」

「うん。寂しいってちゃんと教えて。
多分俺たち、同じタイミングで寂しいって思うから。」

「…そだね。ずっと同じ気持ちだったし。」


星がキラキラと輝いている。
あの日もこんな星空だった。


どこまでも空が続いていくような、どこまでも星の輝きが消えないようなそんな夜で。


繋がれた手が嬉しくて、その横顔が愛しくて。
私は奏人のことが好きなんだって自覚したあの夜。


星が私達を照らす。
一つ一つは小さな光でも、これだけあれば私達には充分だ。

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