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「そうだね。もう20年くらい前のことだけど。」

「…陽パパはさ、どうして離れちゃったの?」

「梨亜とは前にもこういう話をしたよね。」

「…うん。」

「確かあの時は晴輝に好きって言えないとかいう悩みだったよね。
今はちゃんと言ってるの?」

「っ…なんで陽パパはそーゆーこといちいち覚えてんのー!?」

「あの時の梨亜、可愛かったからね。」

「あたしはいつでも美人ですっ!」

「顔の造りのことじゃなくてさ。
あの時の梨亜は女の子!って感じで可愛かったんだよ。
今はあの時の顔にすごく似てる、かな。」

「…あっそ。」


陽パパはにっこり微笑んだまま。
…この笑顔は結構危険。なんか全て分かったみたいな顔してる。


「晴輝がようやく進路のこと話したんだね。
本当に〝ようやく〟だけど。」

「え…?」

「梨亜に話せずにいたから、俺がそういう話は早くした方がいいよってアドバイスしたんだ。」

「陽パパがそう言ったの?」

「俺も前にはるとそのことで揉めた…というか、はるを傷付けてしまったからね。」


陽パパの目が少しだけしょんぼりとする。
…ホントに悲しかったんだろうな、きっと。
そんなことをふと思う。

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