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* * * * *


その日のバイト帰り。
…チャリはツラい…この時期。


大学構内を通って、北門から出て家へと向かうのがいつものパターン。


「…ん?あーあいつ…!」


構内の灯りがヤツの黒髪を少しだけ照らす。
大体、こんな時間に何して…?


そんなあたしの疑問をよそに、大学内で一番高い建物の横にある階段を上っていく。


「…どこ…行くんだろ…?」


何故だか無性に気になって、あたしは近くにチャリを置いた。
…階段まで走って、そのままあいつを見失わないように追いかける。


「うぅー寒い…!」


こんな寒い夜に何やってるんだろ…あたし。
でも目に入ってきたのはあいつだし、気になっちゃったんだから仕方がない。


それに…心なしか…





「夏原…少し笑ってた…?」


少なくとも、あたしにはそう見えたから。
だから気になった!それだけ!

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