7 STARS
「え…。」


キラキラと輝く冬の星空。
痛いくらい冷たい風が頬に突き刺さるのに、それでもそんなのが気にならなくなるくらい…


「綺麗…なんだけど…っ…!」

「でしょう?星はとても美しい。」


あたしの方を向いた夏原の表情が、…有り得ない。


「…っ…!」

「…何ですか?」

「何でもない!」

「何でもないという人に限って何でもありますよ。」

「うるさいっ!」

「あなたの方がうるさいですよ。」

「声の大きさとかじゃなくて…っくしゅ!」


うー寒いっ!クシャミ2回目だよ。寒いんだってば寒いの嫌いなんだってば!なんであたし、ここにいるんだろ…。


「私よりもはるかに厚着なのに、それでも寒いんですか?」

「寒い!絶対に寒い!むしろ夏原、薄着すぎる!」

「そんなことはないですよ。コートもマフラーもしてます。
でも、仕方ありませんね。どうぞ。」

「え?」


夏原はするっと紺のマフラーをほどいて、あたしに差し出した。


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