7 STARS
「な…なに…?」
「さすがにコートを貸してしまえば私も寒いですし。
マフラーくらいなら、どうぞ。」
「あたし、マフラーしてるけど!」
「そうですね。その上から巻いて、耳まで隠せばいいのではないですか?
耳を隠すと少しは温かくなるかと思いますが。」
「み…耳あてないのっ?」
「私が耳あてなどするように見えますか?」
「見えないけど!」
「それならばそのような無駄な発言は控えていただけませんか?」
「無駄って…!」
「これ以上温かくなることはありません。
寒いのが嫌ならばもう帰った方がいいのでは?」
「…でもっ…これ…!」
あたしは空を指差した。
冬場、外に出ることを嫌うあたしはもちろん空なんて見ない。
だから…
「こんなすごいの…あるんだね…。」
指先が手袋をしてても冷たくて、吐く息はもちろん白い。
ぴゅうっと吹いてくる風が時々マフラーの間をぬって首にあたる。
大嫌いな、寒さ。大嫌いな…冬。
それなのに…
「綺麗…なんだもん。」
「…ええ。ですが、明日も見れます。願えば明日も。
だから…。」
夏原の大きな白い手が、そっと伸びてきた。
「さすがにコートを貸してしまえば私も寒いですし。
マフラーくらいなら、どうぞ。」
「あたし、マフラーしてるけど!」
「そうですね。その上から巻いて、耳まで隠せばいいのではないですか?
耳を隠すと少しは温かくなるかと思いますが。」
「み…耳あてないのっ?」
「私が耳あてなどするように見えますか?」
「見えないけど!」
「それならばそのような無駄な発言は控えていただけませんか?」
「無駄って…!」
「これ以上温かくなることはありません。
寒いのが嫌ならばもう帰った方がいいのでは?」
「…でもっ…これ…!」
あたしは空を指差した。
冬場、外に出ることを嫌うあたしはもちろん空なんて見ない。
だから…
「こんなすごいの…あるんだね…。」
指先が手袋をしてても冷たくて、吐く息はもちろん白い。
ぴゅうっと吹いてくる風が時々マフラーの間をぬって首にあたる。
大嫌いな、寒さ。大嫌いな…冬。
それなのに…
「綺麗…なんだもん。」
「…ええ。ですが、明日も見れます。願えば明日も。
だから…。」
夏原の大きな白い手が、そっと伸びてきた。