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「家はどこですか?」

「え?」

「一体今、何時だと思ってるんですか?」

「え…っと、バイト帰りだから…11時くらい?」

「正解です。いつもこんな時間に一人で自転車なんかに乗ってるんですか?」

「まぁ、そうだね。そうなる…かな。」

「危険なことをするんですね。最近は物騒なのですよ?」

「大丈夫大丈夫ー!だーれもこんな奴襲ったりしないって。
普通狙うなら顔が可愛くて女の子女の子したやつ狙うっしょ!」

「…はぁ。」


あたしの発言に、夏原は大きく溜め息をついた。


「…何よ?」

「そういう問題ではないでしょう。襲われてからでは遅いというのに。…一人暮らしですか?」

「うん。」

「ということは大学の近くにお住まいですね?」

「まぁーチャリ5分くらい?」

「送ります。」

「はいー?」

「あなたが部屋に入るのを見届けると言ってるんです。さぁ、どちらですか?」

「え、いいよいいよ。夏原に送ってもらうような義理ないし、あたし平気だし。」

「あなたがそういう性格でも女性であることに変わりはありません。」


真っすぐに、ただ夏原はそう言った。
…女性、かぁ。そんな風に女扱いとか…されたことないから、妙に焦る。

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