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「寒いの、本当苦手なんですね。」

「苦手って言うか嫌い!むしろ夏原がああしてくっそ寒いのに外にいること自体意味不明!」

「…外に出ないと、綺麗に見えませんから。」

「そうかもしれないけど…寒いの嫌だし冬も嫌!」

「…それはそれで構いませんが、私の好きなものを否定されるのは気に入りませんね。」


そこまで言うと、夏原はあたしを見つめながら口角を少し上げた。


「…あなたに教えて差し上げますよ、あなたの知らない世界を。
今日、あなたはその世界に一歩足を踏み入れた。
…もっと知りたい、でしょう?」


…こいつ、確信犯。
あたしが不覚にもあの空に、星にちょっとだけ心が揺れ動いたのを、見透かしてる。


意地とかプライドとか色んなものが邪魔して、『うん』とは言えない。


夏原の方も見ずに、チャリをこぎ続ける。


「無視、ですか?」

「別に!」

「…意地っ張りだろうなとは思っていましたがここまで意地っ張りだとは。計算外でした。」

「意地っ張りなんかじゃないですけど?」

「そういう発言が意地っ張りなんですよ。」

「あんたのその物言いがムカつくのよー!」

「私は別にムカつきませんが。」

「むきー!」


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