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「な…何を…!」

「私がいい人だということに気付かなかった罰としてしばらく私も温めてもらおうかと。」

「はいー?」


夏原が右手であたしの両手をぎゅっと握り直す。
左手はいつの間にかあたしの背中に回っている。


「夏原!」

「なんです?」

「あんた何考えて…。」

「あなたは確かに冷たいですが、あ、もちろんこれは体温的な意味で、ですよ?」

「分かってるっつーの!ていうかそっちの意味じゃなかったら殴る!」

「今あなたの手は私に拘束されていますが?」

「知ってる!」

「で、話を戻しますと、あなたは柔らかい。触り心地はとても良い。」

「なっ…変態!」

「なにがです?というかどこがです?」

「触り心地とか…勝手に触るな!」

「別に触ると言ってもコートの上からですし…あ、それと…。」

「今度は何よ?」

「あなたの香りは心地良いです。落ち着く、と言うべきでしょうか?」

「はぁ!?」


いきなりの発言に思わず顔が熱くなる。
…って夏原の香りの方が落ち着くじゃん…って何言ってんのあたし!


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