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「なのでしばらくこのままで。」


華奢なくせに力だけはやっぱり男で、多少は鍛えてるのに女のあたしは全然敵わない。
相変わらず両手は拘束されたままだし、背中にはがっちり手が回ってる。
夏原の香りが、ふわりと全身を包む。


「おや…?なんだか顔が赤いですね。寒さの限界ですか?
でも手は異常に熱くなってきましたよ…どうかしました?」

「もう充分温まったから離して!」

「本当ですか?」


そう言って背中にあったはずの手があたしの頬に触れる。


「あ、頬も温かいです。本当に温まったみたいですね。」

「だーから!気安く触んなっつーの!」

「別に気安く触っているわけではありませんよ。」

「そういうのが気安いんだっつーの!」

「まったく…あなたは本当に反抗的ですね。」

「あんたもでしょー!?」

「私は反抗的なんかではありませんよ。あなたの願いも叶えているでしょう?」

「余計なことしすぎなの!」

「余計なこととは…抱きしめたことですか?」

「なっ…!そうストレートに言わないでよ!」

「…すみません。あなたのそういうストレートな表情の方が面白くて。」

「バカー!夏原のバカ!」

「バカは解せませんね。それに抱きしめたこと自体、謝罪する気もありません。」

「はぁ?」


なんなのこの強気な態度…!

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