7 STARS
「今すぐどうこうというわけではありませんよ。
そんなに警戒しないでください。」

「警戒しないでいられるか!あんた、あたしのこと手に入れるってどういう意味か分かってんの?」

「…当たり前ですよ。私が言ったんですから。
もっとストレートに言葉が欲しいですか?」

「欲しくないっ!」

「そう拒絶されると余計言いたくなりますね。」

「あんたはドSか!?」

「いえいえ、そんなことはありませんよ。
でも、どうやらなかなか伝わらないようなので言いましょう。
私はあなたのことが好きですよ。」

「…っ!」


ストレートすぎる、言葉。
しかも真顔。…あ、笑った。ってここで笑うとか卑怯でしょ絶対!


「あなたのその頬の赤さはどういう意味でしょうか?」

「どっ…どういう意味でもない!いきなりあんたがヘンなこと言うから驚いただけ!」

「別に私は変なことなど言っていませんよ。
それで、あなたの答えは?」

「はぁ?」

「私のことがお嫌いですか?」


…ったくこの確信犯が!いきなり目尻下げて悲しそうな表情浮かべやがって…!


「…別に嫌いじゃない。」

「…それでは好き、ですか?」

「ばっ…バッカじゃないの!?なんで『嫌いじゃない』が『好き』になるのよ!」

「あなたはそうそう簡単に『好き』などと口にしそうにありませんから。
『嫌いじゃない』はほとんど『好き』に近いのではないか、と。」

「なわけ…!」


…それ以上、言葉が言えなかった。
だって、頬に触れたから。夏原の手よりもずっと、柔らかいもの。

< 222 / 268 >

この作品をシェア

pagetop