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そして少し距離が出来たと思った瞬間に、唇は重ねられた。
そっと、でも確かに。


初めての感触に姫乃は少しだけ身を固くしたが、ぎゅっと抱き寄せる強い腕に安心して、次第にその緊張は解けていった。


晴彦がゆっくり目を合わせる。


「…ヒメ。」

「なに?」

「約束、覚えててくれてありがとう。」

「…私こそ…私と約束してくれてありがとう。…ハルくん。」

「…やっぱ…なんか懐かしい。そうやって呼ばれるの。」

「私もだよ。」


自然とぶつかった額。
その距離がくすぐったくて、二人で目を合わせながら笑った。


「あ、見て…。」

「ん?」

「今年…すごく綺麗だよ。」

「…ホントだ。」

「ゆっくり見ようよ。」

「そうだな。」


空に輝くのは…数多の星。
暗闇だからこそはっきりと見える、天の川。



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