7 STARS
8.1 星よりも好きな人
* * * * *
「浅野先生。」
この冷たく響く声、何とかなんないの?
そんな風に思いながらも、汐織(シオリ)はゆっくりと後ろを振り返った。
「はい…。」
「この資料、誤字が多すぎんだけど。」
「うわっ…すみません!!」
「直しといて。」
「はいーっ!!」
空中をひらひらと舞う書類をなんとかキャッチした。
「…手渡ししてくれればいいのに。」
去ってしまった背中に向かってそう呟いた。
ホントに性格が悪いんだから、齊藤先生は。
そんなことを思いながら、書類に目を通す。
「…あ…。」
書類には赤でチェックが入っていて、正しい漢字が書かれていた。
…こういうところで助けられるのは不本意だけど、そんなことも言ってられない。
「…ヘンなとこ優しいんだもん。わけわかんないよ。」
というわけで、目下のところ汐織が職場で一番頭を悩ましているのは先輩教師、齊藤篤(サイトウアツシ)先生だったりする。
「浅野先生。」
この冷たく響く声、何とかなんないの?
そんな風に思いながらも、汐織(シオリ)はゆっくりと後ろを振り返った。
「はい…。」
「この資料、誤字が多すぎんだけど。」
「うわっ…すみません!!」
「直しといて。」
「はいーっ!!」
空中をひらひらと舞う書類をなんとかキャッチした。
「…手渡ししてくれればいいのに。」
去ってしまった背中に向かってそう呟いた。
ホントに性格が悪いんだから、齊藤先生は。
そんなことを思いながら、書類に目を通す。
「…あ…。」
書類には赤でチェックが入っていて、正しい漢字が書かれていた。
…こういうところで助けられるのは不本意だけど、そんなことも言ってられない。
「…ヘンなとこ優しいんだもん。わけわかんないよ。」
というわけで、目下のところ汐織が職場で一番頭を悩ましているのは先輩教師、齊藤篤(サイトウアツシ)先生だったりする。