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* * * * * 


「なーいー…。」


汐織はもはや半分以上涙目で給食袋探しを続けていた。
学校を飛び出し、自分の自転車に跨ったまでは良かったが、そこからは地味極まりない作業が始まった。
草をかき分け、ケータイのライトで照らす。
そして給食袋がなくて落胆する。
それをもう何十回繰り返したのだろう。
誰かに今自分がしてることを話したら「何もここまでしなくてもよくない?」くらいは言われそうだが、こうなってしまった以上、意地になっている部分があることを否めない。


地面に少し這いつくばり気味の姿勢で捜索を続けていると、背後に地面を踏む足音が聞こえた。


一瞬びくっと竦んだ。
その竦みを見られたのか、背後にいた『誰か』は這いつくばっている汐織の上に軽く跨ってきた。
重さで分かる。―――…男だ。


「オレと一発ヤろうってわけ?」

「なっ…ちがっ…!!」


後ろを振り返ろうとした隙をつかれて、ぐるんと身体の向きを変えられた。
つまり、いわゆる『押し倒されてる』格好だ。


「ちょっ…降りなさいよ!!」

「なんでーこれからお楽しみだろー?」

「何言って…。」

「そんな無防備な姿晒してるお嬢ちゃんが悪い。」


薄暗くなった中でも、男の気持ち悪い笑みは見えた。はっきりと。

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