7 STARS
* * *


「席につけー。」


そう言って入ってきたのは担任だった。
30代後半の体育会系、男教師。
がさつだけど面倒見の良い性格で人気はそこそこだ。


「今日はなー転入生を紹介する。」

「えぇー!?こんな時期に?」

「時期は関係ないぞー。さ、入って入って。」


担任が大きく手招きをして、それに応じる形でゆっくりと歩みを進める転入生。


日に焼けていない、健康的な白さ。
少し茶色がかった短い髪。風にさらっとなびく。
すっと整った綺麗な鼻筋に、女生徒からはため息が零れた。


彼は教壇の横に立たされ、前を向いている。
きょろきょろと泳ぐ目も無理はない話だ。
…不意に姫乃と目が合った。
すると、本当に微かに口元に笑みを浮かべる。


…笑った…のかな…?
目が合った瞬間に、なんだかドキっとした。
多分、あんまり綺麗な顔してるからだろうと姫乃は解釈する。


「自己紹介頼む。」

「あ、はい。
星川晴彦(ホシカワハルヒコ)です。よろしくお願いします。」


すっと頭を下げた姿がとても綺麗だった。
…本当にひとつひとつの仕草が『綺麗』で、姫乃は目が離せなかった。

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