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今は9月。
夏休みが明けて陰鬱な学校生活の始まりを告げる時期。
夢は9月が嫌いだ。
誕生日がもうすぐ来る。望んでもいないのに。


生まれなければこんな虚無感を感じることもなかっただろうと思うときがあり、そうなってくると自分という存在の始まりをなくしてしまいたいと思うのはごく自然のことだった。
自殺願望があるわけではないけれど。


誕生日まで13日。
誰かに求められるままに動き、相手を満たして自分は満たされない。そんな毎日が普通のはずだった。


…それなのに、9月1日。
今日だけは違った。ただ流れていくだけの毎日に変化が訪れた。





「ヒトリ…。」

「え?」


不意に声をかけられたのは、夢が公園を通り過ぎようとした時だった。
身なりも汚く座ったままの、一応は男と思しき人間が言葉を発したのだと気付くまで、15秒を要した。

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