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「援助交際できないよ。俺は援助できない。」

「援助するのはあたし。お金ならある。家もある。なんなら時間もある。」

「今、自分がどれだけ危険なこと口走ってるか分かってる?」

「別におじさんがしたいならしてもいいよ。あたし、自分の身体に興味ないから。」

「…何考えてるの?」

「何も考えてない。おじさんは何考えてるの?」

「俺も何も考えてない。
…まとめるとさ、君が俺を養ってくれるの?」

「そうね。家事全般ができるペットってとこかしら。あたしからは家事全般をこなしてくれれば何も文句言わないよ。あとは好きにしていい。」

「俺がたとえ君を抱きたくなっても、君は拒否しないってこと?」

「しないよ。」

「…どうして拾おうなんて思ったの?」


一瞬躊躇って、それでも夢は口を開いた。


「『独り』って言われてみると、そんな気がしたから。」


独りが嫌とか寂しいとかそんなことまでは分からない。
でも、実際に口に出されてみて初めて分かった。
自分は間違いなく『独り』だ。
誰とも繋がらない、誰からも必要とされない『独り』。


それを一瞬すれ違っただけで見抜いたこの男に興味があった。
…ただ、それだけ。


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