フルボッコ同盟
「はあ〜あ。」
女子はわかりやすいため息をつきながらゆっくり漕ぐ。
「あのー…もっと速く漕いでいただけませんか?」
これじゃあ走った方が速そうだ。
「はあ?…わあったよ。しっかりつかまってろよ。」
「はい。…うわあ!?」
速いなんてもんじゃない。次々と車を追い越していく。
「速すぎませんか!?」
「お前が速くしろって言ったんだろうが。」
極端すぎる。
なんだかんだであっという間に高校の門。
「あのっ、ありがとうございました!」
漕いでもないのに息切れした。
「今度お礼しろ。」
…図々しいなあ。