フルボッコ同盟

「はあ〜あ。」

女子はわかりやすいため息をつきながらゆっくり漕ぐ。

「あのー…もっと速く漕いでいただけませんか?」

これじゃあ走った方が速そうだ。

「はあ?…わあったよ。しっかりつかまってろよ。」

「はい。…うわあ!?」

速いなんてもんじゃない。次々と車を追い越していく。

「速すぎませんか!?」

「お前が速くしろって言ったんだろうが。」

極端すぎる。

なんだかんだであっという間に高校の門。

「あのっ、ありがとうございました!」

漕いでもないのに息切れした。

「今度お礼しろ。」

…図々しいなあ。

< 107 / 211 >

この作品をシェア

pagetop