フルボッコ同盟

「唯ちゃーん。案内終わったー?」

へらっとした雰囲気の男子生徒がやってきた。

「健一君。なんかこの子上履き忘れたみたいなんだけど。」

「マジか!あ、なら俺の貸してあげるよ。」

「え!?」

「2、3年は座ってぼーっとしてればいいしね。はい。」

上履きは落書きだらけでボロボロだったがスリッパよりはマシ。…多分。

「…健一君、そんな上履き普通貸す?」

「上手に履いてるから上履きとしての機能は十分果たせるよ。ちょっと落書きしてるけど。」

「あ…ありがとうございます!」

「いえいえ。」

なんとか入学式に間に合った。

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