フルボッコ同盟


翌日。

翡翠先輩と健一先輩が同じクラスというのを知り、俺はお礼を持って2年の教棟に足を運んだ。

教室を覗くと窓際に2人の姿が。

「健一先ぱ…うわあ!」


バタンッ


…こけた。

「あれ、昨日の新入生じゃん。大丈夫か?」

健一先輩が駆け寄ってくる。

「はひ…」

「うわ!ほっぺ血い出てる!」

「え、あ、擦りむいたんですかね?大丈夫です。」

「大丈夫じゃねえだろ!翡翠、カットバン持ってねえ?」

「持ってないけどこれならある。」


ぺたっ


「へ、」

貼られたのはニコちゃんシール。

「まあそれ貼っときゃ平気か。」

「へ、」

「さあ1年、昨日の礼を渡せ。」

「へ、」

入学早々、俺は優しい先輩たち…に出会いましたとさ。

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